食事管理とは
「愛犬の必要な栄養素を適切な硬度や湿度で与える。
その結果、愛犬は各臓器が持つ能力を余すことなく発揮し、快適に愛犬が過ごすことができることを目指す工夫である。」
定義するとこんな風に言えるのでしょう。
簡単なようで難しいですね。
なぜって?
それは「愛犬の必要な栄養素」といっても人が作り出す創造物ではありません。一括りに犬といっても年齢や性別、犬種によっても必要な栄養は変わるでしょう。
さらに遺伝的な要素に、今現在の愛犬の体調を考慮しなければなりません。
ビタミンCは、犬には与える必要はない、そう言われたこともありました。理由は、栄養の分解において犬は体内でビタミンCを生み出すからです。
でも、それって健康な時でしょ?
病気だったら、体調が悪ければビタミンCがたくさん必要かもしれない。しかし、体調が悪ければ必要量は生成できないかもしれないでしょう。
それならば、やっぱりビタミンCも加えておこう、どうせ水溶性で余ったら対外へ運び出されてしまうのだし、与えるべきじゃないでしょうか。
時代の変化で食事管理の手法も変わり内容物も変わっていったのです。
先のビタミンCのように、30年ほど前ではタンパク質の原型であるアミノ酸は9種類で犬は大丈夫といっていたのを「いえ、あと2種類追加したほうがいいでしょう。」と最初にアミノ酸の種類を増やしたことからヒルズのサイエンスダイエットがプレミアム・フードとして頭一つ抜け出た時期もありました。
ドッグフード選び方
必要な「選ぶための情報」はあると思います。
・サイズ ・年齢 ・性格 ・性別 ・犬種 ・成長期 ・成熟期 ・老齢期 ・健康 ・疾患 ・持病 ・妊娠 ・気温 ・気候 ・環境等ストレス度 ・日常の運動量 ・日常の運動の質
ざっと考えてもこれだけの数を上げることができます。
ドッグフードの種類
「選ぶための種類の分け方」もとても多いと思います。
・犬種別 ・年齢別 ・サイズ別 ・屋外用 ・屋内用 ・使役犬 ・愛玩犬 ・疾病別 ・肥満、減量用
少なくてもこれくらいはあるでしょう。
選ぶ難しさ
「選ぶための情報」と「選ぶための種類の分け方」の交差ポイントがあなたの愛犬に最も適した食事であり、ドッグフードになります。
そして、理論上が最適だから「最高のドッグフード」ではあり得ないのが苦しいところです。
食べたら下痢したとか、そもそも興味を示さないとか、愛犬にも嗜好がありますからそうそう都合よくは行動してくれません。
以前、ロイヤルカナンの弊社担当が話していましたが「ヨーロッパの工場に行きました。すると間違いなくミシュランなら星が取れるレストランの厨房だろうなぁ〜て言えるくらい試作の厨房は輝いていたし、工場内全てがクリーンでした。」と感想を聞かせてくれました。
ロイヤルカナンだけが優れているわけではないと思います。
そもそもロイヤルカナンは、登録店舗数に比べて社員が少なすぎて「10年取引しているけれど営業から連絡があるとか、ましてお店まで来るなんて聞いたことないよ。」と他社のオーナーが話してくれました。展示会の態度を見ていても横柄で決して良い印象を持てない日本支社です。
そんな会社でもって言ってしまいましょうか、本社は素晴らしかったそうです。
昔から、特に日本向け製品は、品質評価基準が欧米より低いから内臓ぶつの比率を増やしてコストを落としてるとか色々と言われていました。そんなことはありませんよって言いたいだけです。
環境も最高水準。使用する食材も高水準のものを使用しているそうです。 そもそも疑ったら何事もキリがありません。
アレルギーとの向き合い方
アレルギーの検査には、判明するまで数週間かかります。
検査会社は、日本では2つほどでしょうか。
獣医師が始めた会社がシェアでは大きく他社をリードしているでしょう。
きっとこの部分を読まれているあなたはアレルギーで苦労されているのでしょう。
あなたっもご存知のようにアレルギーは過剰な自己免疫機能の働きです。大丈夫だった食事も繰り返すと防御反応であるアレルギーになります。月齢の変化でもアレルギーが変わります。
私の経験では、あるクライアントが前の愛犬で苦労したからアレルギー対策に羊のお肉のドッグフードを与えていました。しかし、残念なことに新しい愛犬も成長とともにアレルギー反応を起こしてきました。あるときに重篤な疾病となりました。羊肉からナマズ、そして鶏肉に鹿、最後は魚のドッグフードを与えました。主成分が正しくても食べないと始まりません。やつれる愛犬を見て「どうせ死ぬなら思い切り牛肉を試させてやりたい!」と与えたところ・・・セーフだったのです。笑
いろいろなことがありますね!
三島の選び方
アンビシャス代表の三島はどんな視点で食事と向き合い、ドッグフードを選んでいるのでしょうか?
ドッグフードとの付き合いは、ヒルズから始まり、ネイチャーズレシピは聡明期から結構長い期間使ってましたね。当時はラムを種原料としたフードがまだ少なくアレルギー対策にも薦めていました。
その後、管理犬種にトイ・プードルが増えたこと。
プロとしてお薦めしますするドッグ・フードは
・高品質
・購入のしやすさ
・嗜好性
の基準を満たす点を重要視してロイヤルカナンを推奨銘柄にしていました。小型犬向けの3層コーティングは侮れませんでした。笑
近年は、肝臓疾患用のフードも長らく利用しています。
犬種別を与えるときもありますが、小型犬向けを利用することが多いです。食べが良いように感じています。
また、悪性癌の子がいた際は、ファイトケミカルと呼ばれる野菜を中心にスープを作り、一緒に与えていました。
日常の食事の硬度と歯の汚れ(歯石、歯垢)との関係性があるので総合的な暮らしに対する向き合い方は必須だと考えています。
重要な基本事項
銘柄に関係なく、ドッグフードは開封後1ヶ月以内に消費しましょう。獣医師では2週間でと言いますが、これは顧客の財布事情を無視していますね。
開封するとドッグフードも酸化します。湿気による品質低下もあります。
また、ドライフードをふやかしたり濡らした場合は、速やかに食べ終わるようにしましょう。これは、炭水化物の状態に関わるのですが、炭水化物が人肌に暖かい状態では「アルファ」状態として消化吸収を愛犬がしやすいです。ところが一回濡れたりふやかしたのち冷めてしまうと「ベータ」状態になり消化吸収が悪くなります。
また、犬種というより個体差になりなりますが、ドッグフードをふやかしたり水を一緒に食べさせると下痢をするものもいます。
どういうわけか、ドッグフードはドライのままで、お水は食事前後一定期間離して与えるようにすると大丈夫という子もいます。
私も高齢犬をずっと管理しています。
できる限り水分を多く取らせたいのでふやかすなど工夫しています。
水分補給と食事の摂取量の関係もなかなか奥が深いですよね。
近年のドッグフード事情
コロナが大流行して以降はもちろんですが、その少し前からEC、ネットによる購入と配送が便利になり大規模ドッグフードメーカー主流から飼い主であり愛犬の個々の状態に合ったドッグフードを小ロットの「こだわり」のドッグフードとして選ぶことができるようになりました。
その辺りは、私の30年以上の経験からも大きな変革だと感じています。